本物のパスタとは? 

 パスタに限って言えば、イタリア人が喜ぶ本物のパスタとは、素材の味が完璧にパスタと一体化しているパスタこそが本物だということです。この点、フレンチシェフが作るパスタや、イタリア料理がわかっていないシェフのパスタは、パスタと素材が分離しています。
 
 例えば、ある一流といわれているホテルのイタリア料理店の伊勢海老のパスタであれば、炭焼きした伊勢海老がトマトソーススパの上に乗っているだけ。名古屋の某有名行列店の人気パスタでの唐揚げスパも、唐揚げがトマトパスタの上に乗っているだけだったりします。
 
 これをイタリア人に出せば、「これは伊勢海老のパスタとは呼ばない。これならトマトスパと別に伊勢海老の炭焼きとして別々に持って来い」と怒鳴られるでしょう。本物のパスタがわかっているシェフであれば、他にも季節野菜のパスタ、タコのパスタでは、両者とも細かく刻むことで、パスタに絡みやすくなり、かつソースに素材の味が溶け出し、それをパスタが吸収することで一体感が生まれます。だから見た目は地味ですし、豪華でもなくなります。
 
 日本人はまだまだこういった本物のパスタを食べる機会が少ないことから、パスタとの一体化による生まれる美味しさをわかっていないので、ついつい豪勢な方に魅力を感じてしまうのでしょう。




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フレンチとイタリアンは似て非なるもの 

 昨今のイタリアンブームで、フレンチのシェフが安易にイタリアンに手を染めている店が多いこと。単純に、イタリアンとフレンチは似ている、フレンチが出来るのならイタリアンなんか簡単に作れるだろう。とんでもない話です。

 フレンチはイタリアのメディチ家から発展したのは事実かもしれませんが、その土壌性からその先はまったく違う食文化が生まれました。
フランスは内陸部が多く、イタリアは日本と同じ海に囲まれています。よって、フランスはより保存性を高めるもの、肉料理の発展、素材の欠点を覆い隠すソースの発展に、反面イタリアは豊富な新鮮な素材から、素材の美味しさを生かしたシンプルな調理法、その国民性から見た目に重きを置くことなく、でも手は抜かない料理の発展(これがいわゆるマンマの味)。イタリアでの有名シェフに普通の主婦が多いこともうなずけます。

 つまり、フレンチは必要以上に素材に手を加えてしまうし、見た目重視から、味に関係ない盛り付けにこだわる反面、焦げのうまさ、焼き方の違いによるうまさを軽視しがちです。でもこのことはフレンチイタリアンにかかわらず、わかっていないシェフには共通のことだし、逆にわかっているシェフは伊・仏双方の良い点悪い点を巧みにコントロールして何でも美味しくしてしまうことでしょう。




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