大衆の評価 

人気ブログランキングへ
shimakansoto
                             (2007/01/21撮影)

今人気のキムタク主演テレビドラマ「華麗なる一族」。見てないけど^^;
その舞台ともなった三重県の「志摩観光ホテル」がこの1月いっぱいで閉館した。

実は閉館することを知らずにたまたま1月の終わりにランディはランチを食べに行ったのだが、今となってみれば、虫の知らせだったのかとも思う。


時代は20年前のバブル全盛期、このホテルは日本が生んだ世界に誇るシェフ、高橋忠之氏を総料理長とし、絶頂期を迎えていた。パルケエスパーニャが出来たのもその頃だと思う。

この偉大なシェフの言葉でランディの胸に深く刻まれた言葉が2つある。
ひとつは「火を通して新鮮。形を変えて自然」だ。
あまりに有名な言葉なので、ご存知の方もいると思う。
この言葉の重み、深さは料理と人生を続けるに従って増してくるから不思議だ。今改めて眺めてみても、そこにはプロの料理人に対するメッセージはもちろん、実は“食文化”のすべてを言い表しているとさえ感じる。

そして2つ目は、これはあまり知られていないお客の質問に対する彼の言葉だ。
客「どうしてこんなにおいしいんですか?」
あまりの感動にこんな間抜けな質問しか出来なかった・・とこの客は後で言っていたが、その質問に対して高橋シェフは顔色一つ変えずに即答したそうだ。
「100人が全員おいしいとは言わない味だからじゃないですか?」

これは偶然雑誌で見かけた取材記事での一幕なのだが、その後これも偶然みかけたNHKの「きょうの料理」に彼が登場した時も、「私は100人が100人おいしいと言う料理をつくろうとは思っていません。」と言っていた。よほど彼はこのことにこだわっているんだなと思った。


shimakansoup
伊勢海老のクリームスープ¥2900也  今となってはインパクトは薄い

彼の名を世にとどろかせた料理のひとつに「伊勢海老のクリームスープ」があるが最初はあまり評判がよくなかったそうだ。ところが作家の山崎豊子が絶賛して以来、次第に熱狂的なファンが増えだしてきて、ついに大ブレークしたわけだ。

確かに過去を振り返ってみても、大ブレイクしたものの多くは、最初はあまり評判がよくないものが多いように思える。しかし熱狂的なファンが牽引していき、それが本当によいものであった場合、必ずやブレイクするのだ。
反面、その時代にもっとも多くの人に受けいられるものは、ほとんどの場合もはや時代遅れである。


shimakanhana
高橋シェフ時代の絶頂期も遠い過去、またひとつの時代が終わる。
※追記 その後、志摩観光ホテルクラシックとして継続されることになったらしい



↓ランディも参加しています!飲食店情報も満載!

   
↓FC2飲食店ブログランキングへ
FC2ブログランキング

↓人気blogランキングへ

blogrankingbanner
 

関連記事

コメント

ラメールの思い出

ラメールには、特別な思い出が一杯ある。その思い出とともに、ここの味は脳裏に焼きついている。
はじめに出てきた、雲丹をほうれん草で包み、濃厚なバター味でくるんだ前菜。これは脳天突き抜けるほど美味しかった。20年ほど前だから、(僕もデブチンでなく)今ほどメタボリック症候群などど騒がれず、濃い塩味だった。あのスープも当時は、比類なきオリジナルだったと思う。鮑に関しては、浜島産のものなら、どう食べても美味しいのだが、海草色のソースだったたか、よく覚えていないが、それが、視覚的に美味しく見せた。
言っちゃ悪いが、ヤマハの鳥羽国際ホテルとは雲泥の差だ。(値段も二倍だけどね)
高橋シェフがNHKに出たとき、僕も見ていたが、”料理は、科学の実験と同じですよ。いい素材があれば、時間、量を公式どおりに忠実に守って作れば必ず美味しい物がいつでも再現できる。”とお話されていたのが印象に残っている。
しかし、帝国ホテルの村上さんみたいに重役にならず、退職したのは、近鉄の凋落を示す象徴だ。プライムリゾートやパルケのホテルもことごとく大失敗だ。高橋色一掃したのもあまりに不自然である。また、料理に比べて、あまりに狭くてみすぼらしいホテルの部屋は、とても華麗なる一族の舞台となったホテルと言い難い。

デブチンさんへ

僕も20年ほど前に、祖父母に連れられてラメールに行った記憶があります。ただその時の記憶はミルポアの方がうまいなぁでした。
「科学の実験と同じ~」は僕も記憶にあります。ある意味クールに言い切るところもすごいなと思いました。彼はプロの料理に愛なんていらないとまで言ってました。なぜなら愛が大事などと言えば、母の子への愛にかなうはずがないし、大量の仕事をこなすのに確かに愛なんてナンセンスだと感じたのでしょう。そういわれればそうですね。料理人には愛ではなく、常に向上心と職人のプライドという魂を料理にぶつけて欲しいものです。

知りませんでした…

ラ・メール無くなってしまったんですね。知りませんでした…。
私も、一度家族で宿泊して、食事を戴いただけなので、偉そうには言えないけれど、やっぱり時代の流れを感じますね。
当時、我が家では、志摩観のイチゴジャムを食べていて(それも、10年近く、お嫁にきた姉は、よく飽きないな…って思っていたらしい)今思うと、とても甘いのだけれど、ぼってりとイチゴの果肉が入っていて、我が家にはMUSTの味でした。
お料理もそうだったな…。いわゆる、クラシカルなフレンチ。先日のランディさんのコメントで、ヌーベルキュジーヌを食べたい!!って書いてあったけれど、昨今のフレンチは、みんなヌーベルキュイージーヌの流れの料理のように思えます。昔の、マキシムや、ラ・メールの類って、ほとんどは、オールドフレンチって感じで、はやらないもの。トールダルジャンだって、ソース使いが減って、ヘルシーなフレンチだったし…笑える話で、友人がフランスに行った時、(2000年頃)昔留学していた方のご紹介でいったフレンチレストランの鴨料理のソースがチョコレートソースだったと辟易してたな(T_T)
逆に言うと、いまは、そんなソースで食べさせてくれる、お店が
無くって、ちょっと興味あるんだけれど…
そのうち、BIOのフレンチ、オーガニック・フレンチが主流になるような気がする!!
  • [2007/06/22 11:30]
  • URL |
  • 食いしん坊万歳!!
  • [ 編集 ]
  • TOP ▲

食いしん坊万歳!!さんへ

こんばんは。

なんか志摩観光ホテルは残るみたいなこと言ってましたね。
ラ・メールはどうなんでしょう?

本物のヌーベル一度食べてみたいです。
今やどこもヌーベルっぽいお店ばかりですが、果たしてオールドを凌駕しているお店ってあるんでしょうかね?まぁオールドとヌーベルの境目も微妙になってきちゃってますが。

オーガニックフレンチですか・・・なんか悲しいような気がします^^; 

コメントの投稿















管理者にだけ表示したい場合はチェックをいれて下さい

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://umaiumai.blog59.fc2.com/tb.php/161-6de42a36